「第二十二回 東西落語研鑽会」 | こだわりの館blog版

「第二十二回 東西落語研鑽会」

3/23 有楽町よみうりホールにて


座談会がよい追善となりました。


出演者・演目は下記の通り


「桂文枝追善落語会」


 桂 つく枝 「動物園」
 林家 正蔵 「ろくろ首」
 立川 志の輔「猿後家」


     仲入り


 桂 文福、桂 坊枝、桂 あやめ、桂 つく枝
       「座談会 師匠との想い出」
 桂 文珍  「稽古屋」


今回の「東西落語研鑽会」は
サブタイトルに「桂文枝追善落語会」とつけ、
この研鑽会にも2回出演し、
昨年亡くなった五代目桂文枝を偲ぶ会でありました。

でもその割には主任は3番弟子の桂文珍だし
(やっぱここは筆頭弟子、桂三枝が出なくちゃダメでしょ)
他の出演者も林家正蔵立川志の輔だし、
仲入り後の【追悼座談会】も出演者には申し訳ないが
今イチ【華】がなく、正直な話、
今回はチケットを買うのをちょっとためらった公演でありました。


でも…結果、見てよかった
なんて言うんだろう、かえってこの文枝一門でも
【地味目な】出演者だったからこそ
派手さはないが、本当に師匠を追悼してるなぁという
【心】があふれてて、その【心】に素直に感動してしまった。


特に【追悼座談会】がよかった。
桂文福、桂坊枝、桂あやめ、桂つく枝
それぞれに師匠との愉快なエピソード満載で
ドカンとした盛り上がりはないが、しみじみと楽しめる座談会。
特に進行役の桂文福師のしゃべりは、落語家なのに決してうまくなく
時に弟弟子に「落ち着いて!」と突っ込まれる始末。
時間も持ち時間を大幅にオーバーしたらしいが、
それにもかかわらず実にいいエピソードの持ち主で
その朴訥な喋りが純粋に師匠への追悼に現れていて感動的。
最後によく響く声で熱唱した「文枝の相撲甚句」には
ホント背筋がゾクゾクってきましたよ。


座談会以外の出演者も文枝師匠ゆかりの根多を演じた様子。
“様子”と書いたのは確かに文枝師匠で聞いた根多もあれば
「えーっ、こんな根多やってかな」と思うものもあったため。
文枝師匠の高座にそれほど密に接してなったから
はっきりと確証はできませんけどね。


開口一番が桂つく枝「動物園」
東京でいう「ライオン」。
上方の昔作られた新作落語。
今回つく枝師自身の見事なオチの創作で爆笑の一編に。
…こういうオチもあったんだ、目から鱗(笑)。


次が林家正蔵「ろくろ首」
自身がネタ下ろしとのことで緊張したのか
「文枝追善落語会」であるにもかかわらず文枝師の思い出も
一切しゃべらず普通に噺に入ってしまうという大チョンボ。
後で志の輔師に思いっきり突っ込まれてたが、
ホントこの人、場の雰囲気が読めない人だ(笑)


仲入り前が立川志の輔「猿後家」
先日、TBS「落語研究会」でも放送されてた根多。
これは文枝師もよく演じてましたよ。
上方の匂いのプンプンする演目を、オチごと志の輔流にアレンジ。
そのアレンジが効いて、いかにも志の輔師らしい高座に。
…あまりにもアレンジが効いて文枝師追善にはなってないけど。


で、仲入り後が前述の「座談会」


そして主任が桂文珍「稽古屋」
この研鑽会でも桂小米朝で聞いた根多であるが、
それよりは文珍師の今回の高座の方が、
圧倒的にうまいし、おもしろい。
師匠の思い出をたっぷりマクラに、本編をそれほどいじらずにサラリ。
時に本編もいじりまくって思いっきり長くなる文珍師にとっては
程よい長さで良い高座
しかも文珍師演じる女性が実にやわらかくて艶っぽい。
奇抜な新作を演じる時はあっても
根はやはり文枝師のお弟子さんだったんだなと再認識。
…あの風貌で、あの艶っぽさは意外、意外(笑)。


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