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「壽初春大歌舞伎」


寿新春大歌舞伎

1/7 東銀座・歌舞伎座にて


豪華!豪華!豪華!!

当日の演目と配役は下記の通りです。

「壽初春大歌舞伎」

【夜の部】(午後4時30分開演)


 一、廓三番叟(くるわさんばそう)

         傾城千歳太夫  雀右衛門
            番新梅里  魁 春
           新造松ヶ枝  孝太郎
            新造春菊  芝 雀
           太鼓持藤中  富十郎


 二、祇園祭礼信仰記 金閣寺(きんかくじ)

            松永大膳  幸四郎
               雪姫  玉三郎
   十河軍平実は佐藤正清  左團次
           松永鬼藤太  彌十郎
            慶寿院尼  東 蔵
         狩野之介直信  梅 玉
            此下東吉  吉右衛門


 三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)

  小姓弥生 後に 獅子の精  勘三郎
             胡蝶の精  宗 生
                  同  鶴 松


 四、処女翫浮名横櫛 切られお富(きられおとみ)

                お富  福 助
            井筒与三郎  橋之助
            穂積幸十郎  信二郎
          赤間女房お滝  高麗蔵
            蝙蝠の安蔵  彌十郎
          赤間源左衛門  歌 六



豪華だった。
現在歌舞伎を支える大看板が一同に揃った番組だて。
ホントよくこれだけの顔ぶれが揃ったものだと感嘆しました。

「廓三番叟」では雀右衛門、富十郎の両人間国宝が共演し、
「金閣寺」では幸四郎、玉三郎、左團治、梅玉、吉右衛門と、
花形役者がキラ星のごとくに顔見せし、もうこれ以上ない豪華な配役。
「鏡獅子」は勘三郎が1年ぶりに歌舞伎座に出演し奮闘すれば
福助は久々上演の「切られお富」で悪婆ものに果敢にチャレンジする。

時代物、踊り、世話物と歌舞伎のお手本のような演目だてに
それぞれ立派に主役をはれる面々が贅沢に脇役にまわる配役の豪華さ。
こう書いていても豪華だなァと改めて思います。
これぞ新春のお年玉公演って感じですね。

今回歌舞伎を始めて見たという人にも、きっとこの豪華さが
「今の歌舞伎はこういう人たちが支えているんだ」 というのが、
一目でわかる公演になったのではないでしょうか。

内容的には…

中村屋の「鏡獅子」
が、久々の歌舞伎座出演ともあって
三階の遠くからもその熱気が伝わってくる奮闘ぶり
奮闘ぶりが見ている観客にもひしひしと伝わってきて
実にエネルギッシュな一幕となってこの公演で一番の出来。
舞踊って実は私にとっては一時の休憩幕なんですけど
(演者には失礼ながら!)
この一幕は別格。目が舞台に釘付けになりましたね。

惜しむべくは…

顔ぶれは豪華ながらも、それぞれが見どころたっぷりなものですから
演目としては冗長な印象を受けてしまった「金閣寺」
今日これだけの顔ぶれでも一幕で2時間近いと
ちょっと見るのに体力がいります(笑)。

それと、幕ギレが中途半端に「本日はこれぎり!」で
終わらさざるを得なかった福助の「切られお富」
本来、お富(福助)が安蔵(彌十郎)を殺して逃げていく幕ギレであるのに
あまりにも豪華な演目の連続で時間がおしてしまい
(途中で終わらしても21:30終演でしたからね)
こういう幕ギレにせざるを得なかったのでしょう、残念です。

「切られお富」は今は亡き澤村宗十郎が復活させた
河竹黙阿弥作の【悪婆物】。
私は十数年前に、国立劇場で拝見しておりました。
宗十郎亡き後、またもや途絶えそうになっていたこの演目に
福助が果敢に挑んだ事は注目に値しますし、
比較的、自身の得意演目を並べる新春の歌舞伎公演の中では
充分意欲的な演目選択であったと思います。
だからなおさら「最後までしっかり見たかったなぁ」と思いましたね。
福助も水を得た魚のように嬉々として演じてましたもの!

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「王の男」

王の男

1/7 シネスイッチ銀座 にて


たまにはコッテリとしたドラマでも…


監督:イ・ジュンイク
原作:キム・テウン
脚本:チェ・ソクファン
出演:カム・ウソン、イ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン、チャン・ハンソン、他


 16世紀初頭、地方の旅芸人一座の花形チャンセン(カム・ウソン)と
 女方のコンギル(イ・ジュンギ)は、一座を抜け漢陽へ向かう。
 彼らはそこで宮廷をからかった芝居を上演し、民衆の心をつかむ。
 だがある日、王の重臣(チャン・ハンソン)に宮廷で芸を披露し、
 王(チョン・ジニョン)が笑わなければ死刑だと言い渡される。
 暴君として名高い王の前でチャンセンとコンギルは必死に演じるのだが、
 王が思わず笑ったのは美貌のコンギルの演技であった…。


「韓流ブームは終わった」なんて言われてます。
確かにまだ一部のスターには相変わらず熱狂的なファンがついているようですが、
他の映画については昨年、評価の高い作品でも興行的にはことごとく惨敗。
この作品も韓国で大ヒットということで鳴り物入りでの公開でしたが、
行ってみたら休日だと言うのに充分空席がありましたね。
関係者はさぞかしショックなことでしょう。
でも客席をよーく見回してみると、これまで映画に足を運ばなかった中高年の客層がかなり多い。
【韓流】もブームが去ったものの、新たな支持層を形成してると予感されるような感じがしました。
テレビの若者向けドラマについて行けない世代が、韓国のコッテリしたドラマに飛び付いているような…
ということはこの【団塊の世代】をうまく取り込めば、
逆に【韓流ブーム】も、しぶとく生き残れるのではないでしょうか。


「王の男」の作品ついてに戻りましょう。
内容的には韓国映画お得意のドラマチックな筋立てに、
何かと派手な演出、俳優陣もオーバーめの演技
韓国映画のお手本を忠実に取り入れている作品。
この【お手本への忠実さ】が安心感を産み、地元韓国で大ヒットしたのではないでしょうか。
実は私は韓国映画は2年前に見るのがすっかり苦手になってしまってまして、
もうその【濃度】に辟易してしまっていたんですね。
日本映画の【程よさ】のほうがやっぱり性にあってるようです。
でも今回は正月ってこともあるし、たまにはコッテリしたドラマも見てみようか(笑)と。

案の定、ストーリーといい、演出といい、演技といい
盛りだくさんの【濃い目】の味付け
ドラマチックなところは演出と音楽が「これでもか!」と盛り上げ
下世話な所はオーバーに取り上げ、泣かせるところは「さあ泣け!」と言わんばかり。
でも、また辟易してしまうかと思いきや、
この【コッテリさ】【豪華絢爛な歴史絵巻】という題材には不思議としっくりときて
うまい具合に観客を楽しませる【ツボ】になってるんですね。
だから見ていて退屈するどころか、豪華絢爛な映像の数々には結構楽しんで見てしまったくらい。

考えてみれば日本の昔の時代劇も、TVなんかで時々見ると驚くくらい【コッテリ】してるもんなぁ。
あの感覚に近いんでしょうね、この作品って。
だからこの作品のように、韓流に【団塊の世代】以上が見に来ているというところも
昔味わった日本映画の作風が、今の韓国映画に流れてる…ここら辺と関係あるんじゃないでしょうか。


それにこの作品にもう一つ興味を持ったのは、
韓国の【女方】っていうのがどうなんだろうと見ておきたくなった点。
日本の歌舞伎に、中国の京劇…アジアの芸能には欠かせない【女方】というポジション。
ご多分に漏れず韓国にも【女方】があったわけです。
ではどんなものなんだろか、と。
で、見てみたところ韓国の【女方】は姿は女性なものの、他は全て男って感じでしたね。
だから「王の男」ってスキャンダラスなタイトルでしたけど
内容はそれほどスキャンダラスではない、って何を期待してるんやら(笑)。
チャンセンとコンギルの関係も、王とコンギルの関係も、
【恋人】というよりは、精神的に繋がった【パートナー】という風に見えました。
きっと韓国における【女方】という存在は、
韓国の精神風土や思想的なものと密接な関係があるんでしょうね。
詳しくは勉強してないのでわかりませんけど。


で、最後は何かと話題のコンギル役のイ・ジュンギについて。
宣材での写真を見るとどうみても女性にしか見えない綺麗さでびっくりしましたけど、
実際スクリーンで見てみたら、それほどでもありませんでしたね
何か日本の及川光博みたい(笑)。
雑誌等で取材された記事を見ると、これ見よがしに美少年を気取ったポーズをとっているのが
「なんだかなぁ」って感じです…ファンの方には申し訳ないけど。


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「鉄コン筋クリート」


鉄コン筋クリート

よくぞここまで!


1/3 ユナイテッドシネマとしまえん にて


監督:マイケル・アリアス
原作:松本大洋
脚本:アンソニー・ワイントラーブ
声の出演:二宮和也、蒼井優、伊勢谷友介、宮藤官九郎、大森南朋、納谷六朗、田中泯、本木雅弘、他


 昔ながらの義理と人情が支配する街“宝町”を拠点に、
 何ものにも支配されずに自由に飛び回る“ネコ”と呼ばれるふたりの少年クロとシロ。
 彼らは誰よりも街を知り尽くしていたが、
 その愛する宝町に再開発と呼ばれる変革の荒波が迫ってくる。
 その影響で地上げに躍起になるヤクザたちが徘徊し始め、宝町に暴力と退廃が押し寄せて…。


この作品は近くのシネコンのレイトショーで見たのですが、
まぁ空いているだろうという、予想を裏切り当日はかなりの客足
しかも周りを見ると、それなりに原作をある程度知っているようなコアな客層。
松本大洋及びこの作品の人気のほどが、今更ながらうかがえました。
とはいいながら私は松本大洋の漫画って1冊も読んでないんですけど。
「ピンポン」は見ましたよ、映画で…。


「鉄コン筋クリート」は、その映像が圧倒的です。
【古さ】と【新しさ】が同居する細部にまで再現された舞台となる【宝町】の退廃的な世界といい、
躍動感あふれるクロとシロの行動といい、
時にはアニメながらも手持ちカメラで撮影したかのようなダイナミックな映像の数々は、
漫画の世界が、漫画を読むそのスピードのごとくにそのままアニメの世界として展開されたかのようで
とにかく迫力満点でありました。


あまりにも原作に忠実なアニメ化のため
時に松本大洋独自の世界が展開され、原作を読んでないと
また松本大洋の世界をある程度体験していないと【難解】と思われる部分もありますが
よくぞここまで【原作者の世界】を【アニメ】として展開できたもんだと
見ている間中、脱帽の想いでありましたし、
そのオリジナルな世界の体験は十数年前に見た
大友克洋の「AKIRA」の興奮に似たものがありましたよ。


そしてこの作品、声優陣がすごいよかったです。
たいていこういう作品って話題作りのために
声優なれしていない俳優が出てきて、棒読みの台詞でドッチラケになるもんなんですが
主役のクロ役の二宮和也と、シロ役の蒼井優ともに自然でよかったし、
他の声優陣もラストのクレジットで「ああ、こんな有名人が出ていたんだ」と気付くぐらいの自然さ。
この声の自然さが、作品に集中して見られた原動力にもなったのではないでしょうか。
特に蒼井優のシロの声は特筆モノ!
ちょっと頭の弱いミステリアスな人物をホント自然に演じていて魅力的。
【声優】ってジャンルが蒼井優の新たなレパートリーに入るんじゃないでしょうか。
「フラガール」といい、この作品といい蒼井優、今が旬です!


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「007/カジノ・ロワイヤル」

007カジノロワイヤル

やっぱり男は…ジェームズ・ボンド!


1/2 Tジョイ大泉 にて


監督:マーティン・キャンベル
原作:イアン・フレミング
脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
出演:ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、マッツ・ミケルセン、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト、
    ジャンカルロ・ジャンニーニ、他


 英国諜報部MI6のスパイである‘00’の地位に昇格したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、
 最初のミッションとして国際テロ組織のネットワークを絶つ任務を課される。
 テロ組織の資金源であるル・シッフル(マッツ・ミケルセン)と接触を命じられたボンドは、
 モンテネグロのカジノでル・シッフルと高額の掛け金のポーカー対決を開始する。


年明け一発目の映画鑑賞は、これ「007/カジノロワイヤル」。
まあ正月はパッと景気づけにってとこですね。

で、この作品を私は大の007ファンだというA君と鑑賞。
本日は鑑賞後のおしゃべりを採録。


A:「いやぁ、待ちに待った007最新作!堪能しましたよ!」
私:「ファンのA君には申し訳ないけど、私は007劇場初鑑賞でした」
A:「そうなんですか。僕はビデオとかで全部見てますよ」
私:「ショーン・コネリー時代のものは民放のテレビでしょっちゅうやってたけど、
   見たのは『ロシアより愛をこめて』(注1)ぐらい」
A:「僕は子供の時、劇場で見て以来の大ファン。男はやっぱりジェームズ・ボンドでしょ」
私:「子供の時見たけどテレビのカット版だったせいか、全然意味がわかんなかった」
A:「007はけっこう高度な内容なんですよ」
私:「ちなみにタイムリーなジェームズ・ボンド役って誰?」
A:「ピアーズ・ブロスナン
私:「うわっ!若っ。私は…ロジャー・ムーア(笑)」


A:「ピアーズ・ブロスナンも最高でしたけど、今回のダニエル・クレイグも最高!」
私:「ダニエル・クレイグはキャスティングされたときはブーイングの嵐だったけど」
A:「そうなんですか。
  でも確かに原作の熱狂的なファンって自分が持ってるイメージから遠いと反発するのかも」
私:「でも作品完成後はやたらと評判いいよね。今回見ようと思ったのも評判がいいからなんだけどね」
A:「ダニエル・クレイグでボンドが一気に若返りましたよね」
私:「でもやっぱり『カジノロワイヤル』っていうとウディ・アレン版(注2)を想像しちゃうけどね」
A:「え~知りません。ウディ・アレンって人がジェームズ・ボンドやったんですか?」
私:「…違う、違う!。やめようその話は(笑)」


私:「オープニングタイトルがカッコよかったね」
A:「007はタイトルに毎作凝るンですよ」
私:「でもあの右から歩いてきて正面で銃を撃つ、あの名物シーンがなかったね」
A:「007のイメチェンなんじゃないですか?」
私:「なんかあれがないと007を見たって感じがしないんだよね」
A:「感覚が古いです(笑)」
私:「で、オープニング早々のド派手なアクションシーンが見応えあった」
A:「ダニエル・クレイグいきなり体はってますよね。今度のボンドは若いんだぞってね」
私:「これが連続するのかと期待したら、このアクションが作品の中では一番ド派手だったというのはご愛嬌」 A:「007はアクションだけの映画じゃないんです!」
私:「あとは比較的落ちついたシーンが続くよね。カジノシーンといい、その後の裏切りの連続シーンといい」
A:「007作品の【お約束ごと】が満載です」
私:「カジノのシーンが最高だった。あまりにも盛り上がり過ぎて、これがクライマックスか?と思った」
A:「えーっ!僕はあのシーンで終わってしまったらブーイングでした」
私:「そうなんだ」
A:「そうですよ。あの後の裏切りの連続こそ007シリーズですよ。お約束ごとです
私:「その後のシーンは、なんか蛇足的に見えちゃって長く感じたなァ」
A:「ボンドは必ずヒロインに裏切られるんです。これを見ないと007じゃありません」
私:「なんかボンドって寅さんみたいだね」
A:「違います!一緒にしないで下さい!」
私:「すみません」


私:「で、あのラストを見ると次回作もあるみたいだね」
A:「ダニエル・クレイグのシリーズ、楽しみです!」
私:「次回作に期待するところとかは?」
A:「今回はスパイの改造機器とか、改造カーとかがなかったですよね。これに期待します」
私:「そういえばなかったね。ボンドもまだ新人だからなかったのかも」
A:「僕は自分の車を007に影響されて改造してます」
私:「…怖いよ(笑)。警察に捕まるよ」
A:「もう007。最高ですよ…これからモデルガン買いに行きます!」
私:「…さらに怖いよ(笑)。くれぐれも勘違いしないようにね」
A:「男はやっぱりジェームズ・ボンドでしょ!」

注1:これです
   007 ロシアより愛をこめて アルティメット・エディション/ショーン・コネリー
   

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注2:これです
   カジノ・ロワイヤル/ピーター・セラーズ
   

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「大奥」


大奥

記念すべき2006年最後の鑑賞作品はこれ!


1/31 丸の内TOEI① にて


監督:林徹
脚本:浅野妙子
出演:仲間由紀恵、西島秀俊、井川遥、及川光博、杉田かおる、北村一輝、浅野ゆう子、松下由樹、高島礼子、他


 徳川家七代将軍家継の世。
 大奥では先代将軍の正室・天英院(高島礼子)と将軍の生母・月光院(井川遥)が
 熾烈(しれつ)な女の闘いを繰り広げていた。
 若くして大奥一の実力者となった絵島(仲間由紀恵)は、月光院の信頼が厚かったため、
 天英院派の不満を買っていたが、そんな折、天英院に月光院の許されぬ恋のうわさが届いてしまう。
 そして天英院の陰謀の魔の手はやがて絵島にもおよび…。


大晦日は 「硫黄島からの手紙」 を見て年内終了…の予定だった。
で、夏ごろ銀座地区映画館のスタンプラリーをもらってまして
それがこの「硫黄島からの手紙」を見ればちょうど満期の6回分。
さぁ招待券かなんかをもらって年明けにでもゆっくりそれを使おうか
…なんて思ってたら窓口のお姉さん
「カードは本日までが有効期限です!」と屈託のない一言。
エーッ!招待券じゃなくこのカード提示で1本無料で見られるということ!


でもこれから見る「硫黄島からの手紙」の回は16:00の回
大晦日は有楽町・銀座の映画館はことごとくこの回あたりで終了。
「なんだ!ポイント貯めたって見られる作品ないじゃん!」
私は1回はあきらめ、愕然としてしまったものの
年の最後をこんな終わり方にしてしまってはいけない、と再度奮起。
どこか最終、夜の回をやってないか探しに探しまくりました。


で、1本だけありました…それがこれ「大奥」(笑)。
無料で見られるのだから文句は言えまい。
というわけで「硫黄島からの手紙」での深い感動から
一転して下世話でスキャンダラスな「大奥」へ… 。


この「大奥」、私は今までテレビシリーズも全く見ていなかったので
知ってて当たり前のような展開だったらどうしようかと思ったのですが、
始めに大奥を詳しく解説してくれたのが何より親切、好感が持てます。
まずは城の奥に追いやられたような【大奥】の妖しげな雰囲気がよく伝わってくる。
ただしナレーションが岸田今日子じゃなかったのが何より残念!合掌。


主役の仲間由紀恵が思ったより良かった。
ちっとも江島の貫禄は見えないし、おでこ広いし、顔はアヒル顔だし(失礼!)
だけどとにかく【堅物】という役どころが彼女のキャラにピッタリ。
紅白でアドリブを全く受けつけなかったあの【堅物】さね。
…なんだかケナしてんだか、誉めてるんだか(笑)。
あの【堅物】さがあればこそ、大奥の並居るクセ者どもを向こうに回して孤軍奮闘するのもわかるし
敵方が、歌舞伎役者の生島を【艶仕掛け】の刺客として送るのも
「ここまでしないと」という説得力がある。


あとは敵方の高島礼子、松下由紀、浅野ゆう子、杉田かおるらのお歴々らが、
いかにも「私たちは悪役よ!」というのがいい。
見ていてわかりやすい(笑)。
高島礼子の愛人が北村一輝…愛人までが悪顔、わかりやすい!


作品としては豪華な着物の衣裳が何かと話題だが、映像ではちっとも豪華に映ってない
何より大奥のセットにちっとも【時代】が感じられずピカピカなのはどうしたもんか。
ロケとセットがこれじゃ露骨にわかってしまうよ。
それにねぇ、わかっちゃいるけど西島秀俊に北村一輝が歌舞伎役者っていうのもね。
あれじゃホストまがい、あんな流し目ばかり歌舞伎役者はしません。
それに所作のヘタさは目にあまるばかり、劇中で歌舞伎シーンは目ふせてました、私。


と、悪口を書けばキリがないが、この「大奥」 、
数名で見に行けば、悪口を含めて鑑賞後しばらく盛り上がる事は必至。
正月のオトソ気分でこの下世話な世界を体験するのは悪くないかも。
ただし1800円払って見る価値があるかは責任持てませんが(笑)


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